平屋とは? ローコストで建てることは可能?
平屋とは、ワンフロアのみで構成された住宅のことを指します。階段での移動がなく、生活動線がシンプルで家族の顔が見えやすいという特徴から、シニア世代だけでなく若い世代にも人気があります。
平屋のメリットは、一般的な2階建て住宅よりも構造が安定していて耐震性が高く、コの字型・ロの字型・L字型など、間取りの自由度が高いことなどが挙げられます。
一方、デメリットは、縦ではなく横の面積が必要になるため、2階建てよりも広い敷地が必要な点などが挙げられます。加えて、平屋は周辺環境の影響を受けやすく、住宅が密接した敷地面積が狭い土地で平屋を建てることは難しいといえます。
ローコストで平屋は建てられるのか
平屋は基礎工事と屋根工事の面積が2階建てよりも広くなるため、建築費は同規模の2階建てよりも1~2割程高くなります。しかし、ローコスト住宅を取り扱うハウスメーカーに施工を依頼すれば、安く平屋を建てることも可能です。
ローコスト住宅とは、売れ筋の仕様を標準仕様としてパッケージ化し、販売コストや人件費を抑えたセミオーダータイプの住宅です。一般的な注文住宅よりも安い価格で建てられ、平均坪単価は30万~50万円程度です。一般的な注文住宅の坪単価は少なくても60万円以上なので、建築費を大幅に抑えることができます。
一般的な平屋は「木造・2LDK・延床面積約26坪」といった規模が多く、この条件で建てると仮定した場合、建築費の目安は780万~1,300万円となります。諸費用や土地代が別途かかりますが、平均的な相場よりも安く家を建てることが可能です。間取りやデザイン等に強いこだわりがない人や、できるだけコストを抑えて平屋を建てたい人におすすめの選択肢といえるでしょう。
ローコストで平屋を建てる際のコストの抑え方は?
ローコストで平屋を建てるといっても、要望をすべてかなえようとすれば当然費用は高くなります。そのため、お金をかけたい部分と削れる部分を明確にし、間取りや採用する設備等の工夫をすることが大切です。
費用を抑えるためには、以下の点を意識してみましょう。
- 家の床面積を小さく設計する
- 家全体の凹凸をなくし、シンプルなデザインにする
- 屋根の高さを抑える
- 建物内の間仕切り壁は少なくする
- 収納は必要な場所にのみつくる
- 高価な設備・素材は慎重に検討する
- 補助金や減税対象となる住宅設備を検討する
建築費を抑えるためには、家の床面積を小さく設計するのが有効です。建築に必要な柱などの部材が少なければ、工事の手間が減らせるため、建築費を安く抑えられます。間取りはコの字型やロの字型よりは横長タイプの形状の方が安くなり、リビングを広めにして居室の数を減らすなど、間仕切り壁を少なくすることも費用を抑えるポイントです。
設備や素材に関しては、グレードを選択できるのであればなるべく高価なものは避け、住宅の性能に関わるような、優先順位の高いものにお金をかけるようにしましょう。また、初期費用はかかりますが、太陽光発電の設置やZEH住宅などの省エネ性能の優れた住宅は、補助金や減税制度などの対象になります。入居後の維持費を抑えたい人は検討してみるといいでしょう。
平屋をローコストで建てる際の注意点は?
平屋をローコストで建てる際のポイントと注意点を、以下にまとめてみました。
- ローコスト住宅が得意なハウスメーカーを選ぶ
- 予算内に抑えるためには、なるべく規格プランの標準仕様を選ぶ
- ハウスメーカーの各プラン内容をチェックし、価格だけでなく品質や性能にもこだわる
- 災害リスクの高い土地や地盤の弱い土地は避ける
平屋をローコストで建てる場合は、設備や素材などは標準仕様の中から選択するのが一般的です。もし、希望する設備や素材が標準仕様に含まれていない場合は、追加料金を支払ってオプション仕様として採用することになります。予算オーバーにならないようにトータルコストのバランスを見ながら検討するとともに、あれこれ詰め込まず、要望を割りきることが大切です。希望の仕様が標準仕様になるべく含まれているプランを探してみるとよいでしょう。
また、平屋は2階がない分、災害時の床下浸水に注意が必要です。事前にハザードマップを確認して、海抜の低いエリアや地盤の弱い土地は避けるようにしましょう。
平屋が得意なハウスメーカーの選び方は?
ハウスメーカーの中には、「ローコスト住宅」が得意な会社があります。平屋をローコストで建てることが可能かどうか、過去の施工事例を参考にして、ハウスメーカー選びの際にチェックしましょう。
そのうえで、耐震性や断熱性等の住宅性能の特徴、外装や内装、間取りの自由度といった項目を確認します。住まいに求める条件をかなえてくれるハウスメーカーかどうかを、ホームページなどの資料を基に比較検討することが重要です。以上のことと併せて、担当者との相性も見極めていきましょう。
LIFULL HOME'Sが独自集計した住宅メーカーランキング(2022年11月全国版)では、上位20社のうち、「ローコスト住宅」「平屋」の2つの分野を得意とし、建築対応エリアが全国のハウスメーカーは以下の2社でした。
- タマホーム株式会社(全体3位)
- 株式会社アキュラホーム(全体4位)
坪単価の目安は会社によって幅があるので、オプション費用・付帯工事・諸費用などを考慮し、トータルコストで比較検討しましょう。
最新の住宅メーカーランキングはこちらからご覧ください。
ローコストの平屋の間取り例を紹介
それでは最後に、ローコストの平屋の間取り例を紹介します。
上記は、関東圏に建てられた建物面積約30坪の4LDKの平屋の間取りです。価格は1,898万円で、LDKは20畳以上の広さがあり、ウォークインクローゼットも2ヶ所に設置されています。建物の形状はなるべく凹凸を抑えながらも変化を持たせており、水回りを集約して費用を抑えています。
上記は、関東圏に建てられた建物面積約29坪の4LDKの平屋の間取りです。価格は2,099万円で、収納スペースは各居室と床下収納のみで最低限に抑えながら、その分メインとなるLDKに20畳の広さを確保しています。形状はシンプルな正方形で、四方に窓を設置して光が入りやすい設計となっています。
紹介した2つの間取りは、どちらも関東の郊外に建てられており、敷地面積も60坪以上となっています。平屋を建てる場合は、土地選びの際に土地の条件についても確認し、平屋を建てるのが現実的かどうかを専門家にも相談しながら検討するようにしましょう。
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