住宅購入後に申請できる補助金・助成金制度

住宅を購入する際に、補助金制度などを利用すれば費用の負担を軽くすることができます。しかし、そういった制度を利用するには、さまざまな条件を満たす必要があるため、事前に要綱をしっかりと確認することが大切です。まずは、現在募集中の補助金・助成金制度に関して、いくつかご紹介します。

すまい給付金

すまい給付金は、消費税増税に伴う負担を和らげるために創設された制度です。住宅ローンの減税制度は、基本的に支払っている所得税から控除する仕組みですが、すまい給付金は収入によって給付される金額が異なるというのが特徴です。


すまい給付金の対象者の要件は「住宅を取得し、登記上の持ち分を保有するとともにその住宅に居住する」、「収入が一定以下(年収775万円以下)」(※1)と設定されています。また、住宅にも床面積が50平米であることや第三者機関の検査を受けた住宅であることなどの条件があります。


給付額は「給付基礎額×持分割合」で算出され、それぞれの収入によって給付基礎額が設定されていて、最大で50万円を受け取ることができます。すまい給付金制度を受け取るには住宅の引き渡し・入居を2022年12月31日までに行う必要がありますが、世間の状況によっては随時条件などが変更になることもあるため、最新情報を確認しておく必要があるでしょう。 br

(※1:夫婦および中学生以下の子どもが2人のモデル世帯において住宅を取得する場合の妻に収入がない夫の収入額の目安)

ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)補助金

「ZEH」とはネット・ゼロ・エネルギー・ハウスのことで、太陽光発電や蓄電池などといった環境に優しい設備を備え、エネルギー収支がゼロとなる住宅を指します。ZEH補助金は、このZEHに該当する住宅を新築で購入する際に補助金を交付するという制度です。


補助金は対象設備の内容等により異なり、55万円から最大で112万円の支給が行われます。要件を満たす住宅を、ZEHビルダーまたはプランナーとして登録されている施工会社が建てるとZEH補助金を受け取ることができます。ただし、申請は先着順で、予算を使い切り次第終了となるので、早めに申請するのが良いでしょう。


申請期限は太陽光発電システムや高断熱設備を導入したZEH、またそれをさらに省エネ化したZEH+(プラス)が2022年5月13日~2023年1月6日まで、蓄電システムや燃料電池など1つ以上導入することが求められる次世代ZEH+申請は2022年5月20日~11月18日までとなっています。

こどもみらい住宅支援事業

18歳未満の子どもがいる子育て世代や、どちらかが39歳以下の若い夫婦世帯を主な支給対象とした助成金制度です。この制度では子育て支援に加え、カーボンニュートラルの実現を目指していて、省エネ性能を有する新築住宅の取得や改修などに対して補助されます。


対象となる住宅は、「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)住宅」「高い省エネ性能を有する住宅」「一定の省エネ性能を有する住宅」となります。住宅の種類に応じ、60万円から最大100万円が支給されます。申請は本人ではなく、補助事業者として登録している建築事業者や販売事業者が担当します。もともと交付申請の期限は2022年10月31日となっていましたが、コロナ禍や原油価格の高騰などを理由に2023年3月31日までに延長されました。

蓄電池等のDER等導入事業

蓄電池等のDER等導入事業は、経済産業省の資源エネルギー庁が行っている補助金事業のひとつです。家庭用蓄電池システムやエネファームといった燃料電池、太陽光発電システムに関する実証実験に参加可能な方にシステムの設備費や工事費の補助金が支給されます。


燃料電池の補助上限額は1台につき4万円、電気自動車等に搭載された電池を家庭で充電するシステムのV2H設備の設備費の補助額は1台につき75万円と、設備ごとに補助される上限額が設定されています。


2022年6月1日より公募を開始しており、2022年12月23日12:00までに申請された分までとなっていますが、予算の上限に達してしまうと早めに終了します。

住宅購入後に受けられる税金の優遇(軽減)措置

住宅を新築する場合、補助金とは別に税金の優遇を受けられることもあります。どのようなものがあるかを見ていきましょう。

住宅ローン控除

住宅ローンを利用する場合に、金利の負担を軽減するため、毎年住宅ローンの残高に所定の控除率をかけ、所得税から控除する制度です。2022年に税制改正により、要件変更のうえで2025年まで適用期限が延長されることになりました。控除適用の条件としては、住宅ローンの返済期間が10年以上であること、控除を受ける年の合計所得金額が2,000万円以下であることなどが挙げられます。


長期優良住宅やZEH住宅など、住宅の種類により、控除額の上限が異なります。控除を受けるには、入居翌年の2月から3月までに確定申告を行う必要があるので、忘れないように注意しましょう。

住宅取得資金等の贈与税の軽減

通常、親族から110万円を超える資金援助を受けた場合、贈与税が課せられることになります。しかし、住宅購入の場合は、住宅取得資金等の特例を利用することで贈与税の軽減が可能です。通常の住宅の場合は500万円で、省エネ等住宅の場合は1,000万円までが非課税枠となります。申請は贈与を受けた翌年の2月中旬から3月15日までの間に、贈与を受けた人の住所地の税務署にて書類を提出します。


ほかにも、住宅の購入には、さまざまな税金などがかかります。不動産取得税や登記にかかる登録免許税などにも税金の優遇措置があるため、必要に応じて、所定の手続きを行いましょう。

各地方自治体が実施している独自の補助金・助成金制度もチェック

前述したもののほかにも、各地方自治体が補助金や助成金に関する制度を独自に設けていることがあります。


たとえば、東京都では「東京ゼロエミ事業」の一環で助成金が支給されます。温室効果ガス排出量を実質ゼロにする、ゼロエミッションの住宅を都内で新築する場合、一部の費用を助成するというものです。一戸建ての場合は30万円から210万円までの補助金が支給されます。ほかにも千葉県佐倉市では、脱炭素化のエコ住宅促進のための「佐倉市住宅用設備等脱炭素化促進事業補助金」という制度があります。これは、太陽光発電システムや蓄電池システムなどを導入した場合に、導入設備に応じた補助金が支給されるという制度です。


このように、国の補助金や助成金、各自治体の支援などを利用することで、負担を軽減することができます。こういった制度にはさまざまな種類があるため、お住まいの自治体で最新情報を確認してみるといいでしょう。また日本建築防災協会のホームページでは、耐震支援ポータルサイトとして耐震にかかる税制や融資制度などを調べることができます。

補助金や減税制度などを利用する際の注意点

ここまで紹介したように、さまざまな制度が国や地方自治体などで実施されていますが、実際に制度を利用する場合に注意すべきことがあります。事前に以下のポイントをおさえておくようにしましょう。

申請期限や支給日を必ず確認する

公式のサイトなどで必ず申請期限を確認しましょう。申請期限が過ぎてしまった場合は制度を利用することができません。また、いつ助成金などが支給されるかということを事前に確認することも忘れないようにしましょう。

予算上限額に達すると利用できない場合も

補助金や助成金は、国や地方自治体の予算で成り立っています。そのため先着順などの場合は、予算に達すると受付期間内であっても利用できないということが考えられます。申請期間を確認すると共に、ホームページなどで応募状況や予算の消化率をこまめにチェックするようにしましょう。

確定申告が必要となる場合もある

減税措置などを受ける際は、確定申告が必要となる場合があります。特に住宅ローンの減税を受けたい場合は、住宅取得の翌年の2月から3月に必ず確定申告しましょう。

世間の状況により適用条件も変化する

世間の状況に応じて、制度の適用要件が変化することがあります。申請要件や金額なども変更されることがあるので、減税措置や助成を受けたいと考えている場合は、常に最新の情報を確認しておくようにしましょう。

まとめ

住宅購入における助成金や給付金は、年度ごとに申請を受け付けているものがほとんどです。申請を検討している場合は、スケジュールや要件を把握し、あらかじめ準備をしておきましょう。



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