注文住宅にかかる予算の内訳は?

注文住宅のデザインや間取りは、人によってさまざまな希望があるはずです。ただ、共通して大切なのは、まず予算をしっかり決めておくこと。ここでは注文住宅を建てる際の費用の内訳を説明しましょう。

土地購入費用

土地を所有していない場合は、土地購入費用も必要です。ただし、純粋に土地代だけでなく諸費用もかかります。


【土地購入費用の内訳】

土地代:手付金、残代金

諸費用:印紙代、登記費用、住宅ローン手数料・保証料(住宅ローンを使用する場合)、仲介手数料など

本体工事費

本体工事費とは、建物そのものの建築にかかる費用のこと。建築時にかかる費用の75%程度が相場とされています。


【本体工事費の内訳】

躯体工事費:仮設工事(足場)、基礎工事、木工事(構造や骨組み)、設備工事など

仕上げ工事費:内外装工事、屋根・内壁・外壁・天井の仕上げなど

設計料:依頼先によっては、本体工事費に含まれることも

別途工事費

付帯工事費とも呼ばれ、建物本体の建築以外にかかる費用が含まれています。


【別途工事費の内訳】

地盤調査・地盤改良工事費、外構(駐車場や庭、門、塀など)工事費、インフラ(水道・ガスなど)工事費、設備(照明やエアコン、カーテンなど)取り付け工事費など

諸費用

建物の本体工事費と別途工事費以外にかかる費用と税金で、建築時にかかる費用の5~7%程度とされています。現金で支払うことが多いため、ある程度の余裕をもって資金を用意しておきましょう。


【諸費用の内訳】

印紙代や住宅ローン契約時の諸費用、税金、司法書士への報酬、引越し費用、家具や家電の購入費用など

注文住宅の予算の目安と決め方のルールは?

では、実際に注文住宅にどのくらい費用がかかるのか、住宅金融支援機構の「2021年度フラット35利用者調査」を参考に見ていきましょう。注文住宅の土地付き・土地なしそれぞれの所要資金(購入費用)の平均値を、首都圏・近畿圏・東海圏・全国平均・その他の地域で見てみると下記のとおりです。

注文住宅(土地付き)

首都圏5,133万円
近畿圏4,658万円
東海圏4,379万円
全国平均4,455万円
その他の地域3,980万円

土地付きの注文住宅は、首都圏・近畿圏の順に費用が高くなっています。その差は、首都圏と近畿圏なら500万円程度。都市部の地価が高いため、下記の住宅購入のみの場合と比べて差が大きくなります。

注文住宅(土地なし)

首都圏3,899万円
近畿圏3,778万円
東海圏3,650万円
全国平均3,572万円
その他の地域3,372万円

土地なしの注文住宅も首都圏がもっとも高く、近畿圏や東海圏と比べると100万~200万円、その他の地域との比較では約500万円も多く費用がかかっています。

注文住宅の予算の決め方にはルールがある

前述した注文住宅の費用の相場を確認したうえで、予算を決めていくことが大切です。それでは、予算の決め方のルールについて詳しく見ていきましょう。

STEP1 自己資金(頭金)を把握する

自己資金+住宅ローン借入額=注文住宅の総予算ですから、まずは自己資金がどのくらい出せるかを確認します。自己資金が多いに越したことはありませんが、預貯金のすべてを自己資金に回してしまうと、諸費用の支払いや、生活上の不測の事態に対応することが難しくなる恐れがあります。

STEP2 住宅ローンの借入額と月々の返済額を把握する

次に毎月のローン返済額から、借入額を把握します。年収に対する年間返済額の割合を「返済負担率」といい、返済に無理が生じないように、一般的には25%以内にするとよいといわれています。


たとえば、年収500万円の場合、返済負担率を25%とすると


500万円×0.25÷12≒10万4,000円


約10万4,000円が毎月の返済額になります。これを借入期間35年、全期間固定金利1.3%、ボーナス月追加返済金額なしで計算すると、借入限度額は約3,500万円、総支払額は約4,368万円になります。このようにして借入額を算出しましょう。

STEP3 土地代・建築工事費用のバランスを考える

自己資金と住宅ローンの借入金額が見えてくると、購入予算も決まります。土地代と建築工事にかかる費用のバランスは、大体4:6~3:7の割合が好ましいといわれています。土地にお金をかけすぎて満足できる家にならなかったという失敗例も多いので、予算を立てる段階でバランスを考えておきましょう。

注文住宅で予算オーバーしてしまったときの対処法

慎重に考えて計画を立てたものの、うっかり予算オーバーになってしまうケースもあります。そんなときは、設計中でも変更が可能な部分でコストを調整します。ここでは、設計中の変更が簡単なもの、変更が難しいものを紹介していきます。



設計中の変更が簡単なもの

  • 設備機器の種類・グレード
  • 室内フローリングの種類(厚みが変わる床材などは厳しい)
  • 壁紙のタイプ(厚みが変わらない場合)

設備機器や仕上げ材などの仕様は、後からでも比較的簡単に変更でき、コストダウンの検討材料となります。



後から変更するのが難しいもの

  • 間取りや広さ
  • 部屋数
  • 建物の形状、配置
  • 水回りの配置、階数、配管

こうした建物自体に関する変更は、プラン全体の見直しや工期にも大きく影響します。見積もり段階で検討しておくことが必要です。

注文住宅のコストダウンをするポイントは?

予算オーバーになってしまったとしても、諦めずに工夫すればコストダウンできるところがあるかもしれません。ここでは、節約できるポイントを紹介しましょう。

間取り

間取りは後からの変更が難しい箇所です。下記のようなポイントを理解しつつ、家族の人数や成長に合わせて適切な間取りを考えましょう。

  • 壁などの間仕切りを少なくし、部屋数を減らす
  • キッチンやバスルーム、洗面、トイレなどの水回り設備を集約する
  • 大家族でなければ、トイレの数を1つにする
  • 造作が多く、特殊な部材を使用する和室はつくらない
  • 窓のサイズや数、配置を検討する
  • バルコニーの数を減らす、またはサイズを縮小する

設備・内装

設備や内装は後から変更が可能な部分です。予算調整時に精査してみましょう。

  • こだわりたい設備の優先順位を決め、その他はグレードにこだわらない
  • エアコンや照明器具は自分たちで用意する
  • 仕入れ価格を抑えるために、壁の仕上げ材などを統一する

収納・床面積

収納スペースは後から変更できる場合もありますが、床面積に関係する階段などは設計段階で決めておくべきものです。収納・床面積の工夫には下記のような例があります。

  • 家族が窮屈に感じない広さを確保し、延床面積を減らす
  • 収納スペースは集約し、広めのウォークインクローゼットを設ける
  • パントリーなどの収納スペースには扉を設けない
  • キッチンの吊り戸棚をやめて棚を設ける
  • 廊下や壁などのスペースを削減し、リビングに階段を設ける

家の形状

個性的な形の住まいは、やはり予算が膨らみます。後からの変更は難しいので、早めの見直しが肝心です。

  • 外壁の凸凹を無くして建物の形をシンプルにし、使う資材を減らす
  • 1階と2階の面積・形状が同じの「総二階」にする
  • 屋根の形状をシンプルなデザインにする

注文住宅のコストダウンをする際の注意点

コストダウンが必要になっても、安易に削ってはいけない部分もあります。快適な住まいにするためにも、コストダウンできる部分と、すべきでない部分をうまく見極めることが大切です。最後に、コストダウンをする際の注意点を見ていきましょう。

住まいの安全・快適に関する部分はコストダウンしない

住まいの安心や安全に関わる部分は、コストダウンをすべきではありません。下記のような箇所のグレードについては、事前にしっかり施工会社と話し合いをしておきましょう。

  • 耐震性・耐火性に関する部分
  • 防犯・セキュリティに関する部分
  • フェンスや門扉などの外構工事や割れにくい窓、安全性の高いカギ
  • 断熱性・気密性に関する部分
  • キッチン回りの設備

ランニングコストのことを考える

毎日の暮らしにはランニングコストがかかります。建築費を抑えられても、ランニングコストが高いと、トータルのコストダウンにはなりません。たとえば、安価な電気設備の中には、毎月の電気代がかかりすぎるものもあります。

メンテナンスや修理コストを考える

住まいは一定の年月がたてば、メンテナンスや修理が必要になります。耐久性に優れた建材を使用していれば、メンテナンスの頻度を抑えることができ、金額も大きな出費にはならないでしょう。



理想の住まいを実現できる注文住宅ですが、きちんと予算内に収めることも大切です。まずは、総予算を把握して無理のない返済計画を立てましょう。予算オーバーしそうな場合は、予算オーバーでも実現したい箇所とそうでない箇所の優先順位を決めておき、コストダウンを図ります。住まいの安全・安心に関することはコストダウンしない、などのポイントを意識して予算の見直しをしてみるといいでしょう。



関連リンク


ハウスメーカーを探す


おうち予算シミュレーションをしてみる