住宅完成までの一般的な流れ

住宅が完成するには、基本的には1年〜1年半くらいの期間が必要です。土地購入を含めた住宅完成までのステップをまとめると次のようになります。

1.大まかな予算を決める

まずは予算決めです。住宅ローンを利用する場合は、毎月いくらであれば無理なく返済できるかをシミュレーションし、それを基に借入額を考えると現実的な予算が見えてくるでしょう。


ちなみに住宅金融支援機構「2021年度フラット35利用者調査」によると、土地取得費+注文住宅の建築費の全国平均は4,455万円、首都圏平均は5,133万円となっています。

2.施工会社を決めてプランづくり

工法、性能、デザイン、価格などの面から、理想の家づくりを実現してくれそうな施工会社を選び、注文住宅のプランと予算を一緒に組み立てていきます。先に土地探しを行う方法もありますが、住宅ローンを利用する場合は施工会社から決める、あるいは施工会社決めと土地探しを並行して行う方がスムーズです。


なぜなら、住宅ローンはあくまで住宅購入のための融資であるため、土地を先に購入してもその分の融資は下りないためです。また、土地購入を先行すると、土地にお金をかけすぎて住宅のプランに制限が出たり、土地の形状などによっては希望の住宅を建てられなかったりするケースもあるため注意しましょう。

3.不動産会社に相談して土地を探す

注文住宅のプランニングを進めながら、土地探しを行います。家を建てる施工会社が既に決まっている場合は、その会社に土地探しも併せてお願いする方法もあります。建物の施工会社と別に不動産会社を選ぶ際は、土地の売買を得意としていて、希望のエリアに精通した会社を選ぶのがポイントです。予算やライフプランなどをしっかりと伝えて、効率よく希望に合った土地を一緒に見つけていきましょう。

4.住宅ローンの申し込み

住宅ローンの借入先となる候補を見つけたら、事前審査を申し込みます。審査に必要な提出書類をまとめて準備を整えましょう。ちなみに必要となる書類には、建物と土地の概要が記された資料(工事の見積書、土地の公図など)が含まれます。金融機関によって提出書類が異なることがあるので、余裕を持って問合わせておくと安心でしょう。

5.施工会社と工事請負契約&土地の売主と不動産売買契約

建築を依頼する施工会社と工事請負契約を結び、購入する土地の売主と売買契約を結びます。土地の売買契約時には、売買価格の5〜10%にあたる手付金(契約金)を支払うことが一般的です。建物に関しては、工事を始める際に着工金、上棟時に中間金などの支払いが必要となることが多いです。


住宅ローンの融資前なので、上記の費用を自己資金で賄えない場合は、つなぎ融資などを利用する方法もあります。

6.着工

実際に住宅を建てる工事が始まります。近隣の住人への挨拶や、地域によっては地鎮祭を行うこともあります。工事期間中は、進行状況をこまめに確認することが大切です。一般的な工事期間は4~5ヶ月程度です。

7.完成・引き渡し

新居が完成したら、竣工検査に立ち会います。問題がなければ登記を行い、その後に入居となります。

8.住宅ローンの融資実行

住宅ローンの融資は、一般的に不動産の引き渡しと同日に行われることが多いです。つまり、注文住宅の引き渡しが行われる日が融資実行日となります。ここから住宅ローンの返済が始まります。

住宅を建てるための土地はどう探したらいい?

住宅を建てるための土地探しは、非常に重要なステップとなります。土地探しは、下記のような流れを意識するとスムーズに進められます。

1.住みたいエリアを決めておく

交通の利便性や土地勘のある場所、あこがれの場所など、何が大事なのか、大まかな希望を決めていきます。あらかじめエリアを決めておくことで、土地を探す際に不動産会社も提案がしやすくなります。

2.詳細な資金計画を立てる

住宅を建てるには土地を購入する以外にも、さまざまな費用が発生します。漠然とした予算だけでは、予算内で収めることが難しくなるかもしれません。資金計画をしっかりと立て、具体的な予算を提示することが大切です。

3.不動産会社と施工会社を選ぶ

土地を探すための不動産会社や、住宅を建ててもらう施工会社を探します。希望に沿った提案をしてもらいやすいように、事前に予算や条件などを決めておきましょう。場合によっては、施工会社が土地探しを行ってくれることもあります。

4.希望する土地へ実際に足を運ぶ

不動産会社からの紹介やインターネットでの情報などを参考にしてから、希望する土地へ足を運んでみましょう。自分自身の目で確認することも土地選びでは重要になってきます。

土地を選ぶ際に意識したいポイントは?

土地を選ぶ際、周辺は十分安全な環境であるか、地盤は弱くないかといった複数のポイントを確認する必要があります。では、満足のいく土地を選ぶには、どのような部分に注目すればいいのでしょうか。

周辺環境

住宅そのものはよくても、周囲の環境が悪ければ住み心地の悪い住宅となります。交通アクセスなどの利便性も重要ですが、交通量の多さや地域の環境が悪くないかといった部分にも目を向けましょう。子どもがいる場合は、子育てのしやすさも一つの指標にするといいでしょう。

災害リスク

地震や水害、台風などの災害は、住宅に大きな被害をもたらすかもしれません。住宅の基盤である土地を選ぶ際にも、安全性に注目することが大切です。地盤の強さやその土地の気候、水はけのよさなどを確認し、災害リスクに強いかどうかを評価しましょう。

建ぺい率・容積率

建ぺい率とは、敷地に対する建築面積の割合を指します。容積率とは敷地に対する延床面積の割合を指します。建ぺい率と容積率を知ることで、実際にその土地で建てることができる建物の面積が分かるため、具体的な住宅のイメージをつかむことができます。

ライフライン

電気やガス、水道はどこでも引き込まれているわけではありません。場所によっては、引き込みがしにくく、その結果、生活に支障が出てしまうケースもあります。ライフラインをどう引っ張っているのかということも、土地選びでは確認すべき重要なポイントとなります。

高低差

がけ地や傾斜がきつい土地に住宅を建てる場合は、盛土や整地などを行うための工事が必要になります。その分の工事費用がかかってしまうことがあるため、資金計画を立てる際には注意が必要です。

現地に行った際にチェックすべき項目は?

土地探しでは、実際にその土地に足を運ぶことが重要になります。実際にその場所を訪れると、写真や文字の情報だけでは見えなかったことが分かります。特に自然環境などは、その土地に足を運ばなければ分からないものです。現地に訪れた際は、下記の項目を忘れずにチェックしましょう。

隣の住宅との位置関係

土地選びでは隣の住宅との境界線が重要になります。隣地との境界があいまいな場合は、現地で観察することが必要です。境界を画定する場合は別途費用がかかりますので、気になる部分があれば事前に不動産会社や売主に相談しましょう。

日当たり

周辺の環境を知ることで、日当たりも予測することができます。近くに雑木林や竹林、高層の建物がある場合は室内の日照時間にも変化をもたらします。日当たりが悪い住宅を避けたい場合は、必ず現地へ行って日当たりを確認しましょう。

風通し

日当たりと同様に、風通しも周囲の環境で大きく左右されます。風通しが悪い場合は、湿気の多さが後で問題となるかもしれません。窓の位置や室内の換気にも関わるため、見落とさないようにしましょう。

地質

災害リスクを考慮し、地質の状態も調べておきましょう。たとえば、埋立地の場合は、地盤が弱い傾向にあります。また、盛土を行った人工地盤は、災害時などに地盤が変形して沈下することも考えられます。

ゴミ置き場との位置関係

土地の前が地域住民のゴミ置き場になっている場合は、衛生状態が問題となる可能性があります。たとえば、ゴミのにおいや、ゴミを目当てにやってくるネズミやネコによる問題が考えられます。虫も寄り付きやすくなるため、ゴミ置き場との位置関係も忘れずに確認しておきましょう。



土地探しは家づくりの基本となります。予算の面を意識するのはもちろんですが、生活の拠点となる場所だからこそ、環境面や安全面などにもしっかり目を向けて自分の希望に合った土地を選ぶようにしましょう。



関連リンク


注文住宅について調べる

土地を探す