ローコスト住宅と一般の注文住宅との違いは?

注文住宅とは設備・間取り・デザインなどを比較的自由に設計できる住宅を指しますが、ローコスト住宅は、その名のとおり、一般的なものよりも安く建てられる注文住宅のことです。


ローコスト住宅と通常の注文住宅で大きく異なる点は、もちろん建築費用です。一般的な注文住宅の平均建築費用が3,500万円程度といわれているのに対し、ローコスト住宅の建築費用は1,000万円台といわれており、平均的な建築費用が1.5倍〜2倍ほど異なります。


また工期についても、一般的な注文住宅は3~6ヶ月程度かかりますが、ローコスト住宅は2~3ヶ月程度で完成します。その半面、設備・間取り・デザインなどの選択肢は、ローコスト住宅の場合は自由度が低くなってしまいます。

ローコスト住宅の安さの理由は?

ローコスト住宅が一般的な注文住宅に比べてコストダウンできる理由としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 使用する資材や設備のグレードを統一し、大量発注することで材料費を節約している
  • 材料をあらかじめ加工して現場で組み立てるなど施工方法を統一しているので、作業効率がよく人件費が安い
  • 全国ネットのテレビCMを使わず、ホームページなどを使って広告費をカット
  • 間取りやデザイン、建物の形状が統一されている

このように、規格に合った建築資材や設備の大量一括購入を行ったり、設計・施工のシステムを合理化したり、プランやデザインを限定した規格住宅にするなど、家づくりのさまざまな工程でコストダウンが図られているため、安い価格が実現するのです。

ローコスト住宅のデメリットや後悔しやすいポイント

ローコスト住宅には、いくつかのデメリットもあります。考えられるデメリットについて、それぞれ詳しく見ていきましょう。

自由度が低い

ローコスト住宅はコストを抑えるために、間取りや設備があらかじめ決められた、シンプルなデザインの規格住宅がほとんどです。そのため、窓を増やす、間取りを変更するなどの自由度は低くなります。

気密性・断熱性・省エネ性などで高い性能が期待できない

ローコスト住宅は資材や人件費の面でコストをかけない分、高性能な注文住宅に比べれば、気密性・断熱性・省エネ性の高さには期待できない部分があります。ただ、ローコスト住宅も建築基準法に従って設計・建築されていることから、耐震性については適正な基準を満たしています。

メンテナンス費用がかかる

建築資材も安い価格帯の材料を使用しています。そうなると、一般的な注文住宅よりも早いサイクルでのメンテナンスが必要になってきます。

設備のグレードが低い

建築資材だけでなく、キッチンやトイレ、お風呂、洗面などの水回りの設備も、グレードを下げたものが使用される場合があります。基本的な機能は備わっていても、最新機能は期待できないケースもあるでしょう。

保証期間が短い

一般的な注文住宅には、45年や60年といった長期保証をしているハウスメーカーもありますが、ローコスト住宅の場合、多くはそれよりも短い保証期間となります。

ローコスト住宅のデメリットの対処法とは?

前述したローコスト住宅のデメリットをカバーするためには、どのような対処法があるのでしょうか。それぞれ見ていきましょう。

自由設計の得意な建築会社を探す

ローコスト住宅を取り扱う建築会社のなかには、自由設計が得意な会社もあります。1つの建築会社だけに相談するのではなく、いろいろな会社を探してみましょう。

基本性能は要確認

耐久性や耐震性は、住まいの安全性や快適性につながります。極端に建築費が安い場合や工期が短い場合はその理由を確認し、構造については建築士とよく相談しましょう。

メンテナンス費用も事前に把握する

劣化は放っておけば、見栄えだけでなく安全面にも関わってきます。将来的なメンテナンス費用や、補修を含めたトータルコストも事前に把握しておくべきです。

設備のグレードはメリハリをつける

たとえばキッチンやリビングなど、自分のこだわりたい場所を明確にし、設備のメリハリをつけることができるか建築会社に相談してみましょう。

保証期間も要確認

ローコスト住宅でも、ハウスメーカーによっては15年や30年など長期保証のものもあります。契約前に保証期間も忘れずに確認しましょう。

ローコスト住宅で失敗しないための注意点は?

建築費用を抑えることができるローコスト住宅ですが、「快適に暮らせなかった」「後のメンテナンスなどで思ったよりお金がかかってしまった」といった失敗もあります。そうならないためにも、どのような点に気をつけるべきか見ていきましょう。

コストの安さだけを追求しない

ローコスト住宅だからといって、一番安い建築会社がよいわけではありません。まずは、建築会社それぞれのプランや間取り、設備などの提案を聞き、見積もりを検討しましょう。複数社から相見積もりをとり、相場を知ることが大切です。その際には見積もりの内訳やランニングコストについても確認しましょう。

建築会社選びの際は、実績や事例を確認する

建築会社によってはホームページで実績や事例を紹介していたり、いま住んでいる人たちの声も掲載していたりするところもあります。ホームページを見るだけでも、その建築会社の得意分野や特長が分かるでしょう。

住まいに対しての優先順位を決める

ローコスト住宅は金額的には満足できても、気密性や断熱性、デザインや間取り、設備など、気になるところが出てくるかもしれません。要望に優先順位をつけ、妥協できるところは割り切ることも必要です。



ローコスト住宅は、コストを抑えている分、通常の注文住宅に比べて見劣りする部分が出るのはやむを得ません。しかし、複数の建築会社から相見積もりをとり、提案内容を細かく確認し、こだわりたいところはオプションを検討するといった努力をすれば、快適で満足のいく住まいにすることもできるでしょう。



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