家を建てる費用は土地あり・土地なしでどのくらい変わる?

注文住宅を建てる際は、建築代・諸費用・土地代の主に3つの費用が発生します。建築代とは、住宅の建設に関わる費用のことで、本体工事費や別途工事費などが含まれます。

  • 本体工事費…基礎工事費・木工工事費・外装や内装工事費 など
  • 別途工事費…地盤改良工事費・ガス管や水道管などの敷設工事費・電気工事費・外構工事費 など

エリアにもよりますが、本体工事費は土地代を除いた、家を建てる費用のうち75%程度となります。諸費用は住宅ローン手数料や各種保険料・税金などが含まれますが、5%前後が目安です。

土地なしで家を建てる費用の全国平均は4,397万円

2020年度「フラット35利用者調査」によると、土地なしで家を建てる場合と、土地ありで家を建てる場合とでは、以下のように差があります。

  • 注文住宅(土地代を除いた住宅取得費用)の全国平均相場…3,534万円
  • 土地付き注文住宅の全国平均相場…4,397万円

土地ありよりも、土地なしで注文住宅を建てる場合の方が、約860万円高い結果となっています。土地代はエリアによっても差があるため、首都圏などでは平均相場よりもさらに高くなる可能性があります。

家を建てるときに安く土地を購入する方法は?

土地の価格については、定価が存在するわけではありません。立地・広さ・形状・方位・法令上の制限・道路との高低差など、さまざまな要因によって土地の売買価格が決められます。


形の悪い土地など、間取りに影響を与える要素がある土地は価格が安くなっている可能性があります。建物は基本的に四角形ですので、たとえば三角形の土地であれば建物の配置がいびつになってしまったり、駐車場などの屋外のスペースが設けにくかったりと、デメリットが生じます。


都市部では土地の形よりも利便性が重要視されるため、土地の形状が悪くても価格が安くならないケースもありますが、土地探しの際はこうした土地の形状や建築制限について注目しながら探してみるといいでしょう。


その他にも、土地の所有者が早く土地を売りたい場合などは、立地条件が良い土地をお得に購入できる可能性があります。これは、土地代が高いとなかなか買い手がつかないので、売主の判断で売却価格を下げるといったケースがあるためです。


以上が安い土地を探すポイントですので、土地探しの際は参考にしてみてください。


また、LIFULL HOME'Sの「価格相場」を利用すれば、エリアごとの土地価格の相場をすぐに調べられます。土地代は家を建てる費用の目安を知るうえで重要な要素ですので、複数の土地を比較し、検討してみましょう。

土地なしで家を建てるときに必要な頭金など、自己資金の目安は?

土地なしで家を建てる場合は土地の購入代金がかかり、その他にも仲介手数料・登記費用・住宅ローン手数料・各種税金などの多くの費用がかかります。手数料や税金を含めた諸費用の目安は、土地代の5~10%程なので、たとえば3,000万円の土地であれば150万~300万円の費用がかかる計算になります。土地なしで家を建てる費用は、こうした諸費用と頭金を含めて自己資金を用意する必要があるでしょう。


また、頭金は多くの場合で住宅購入資金の1~2割程度が用意されているため、たとえば土地代も含めて4,500万円の物件を購入する場合、最低でも450万~900万円程度、さらに引越し代や入居後のランニングコストをプラスした自己資金があると安心です。

土地なしで家を建てるときのローンの組み方

家を建てる際は住宅ローンを組むという方がほとんどかと思います。土地なしで家を建てる場合、土地代も含めた住宅購入費がローンの対象と考えがちですが、住宅ローンはあくまで「住宅」が対象となるため、土地のみ購入する場合は利用できません。


そのため、自己資金が足りない場合は、つなぎ融資や土地先行融資の制度があります。土地手付金・土地代残金・建物着工金・中間金などに利用できます。

土地を購入~引き渡しまでの費用と住宅ローンの流れ

土地購入~引き渡しまでの流れかかる費用住宅ローンの流れ
土地の申し込み事前審査
土地の売買契約土地手付金の支払い本審査(審査承諾後、つなぎ融資契約)
土地の引き渡し土地代残金の支払い(つなぎ融資実行1)
着工建物着工金の支払い(つなぎ融資実行2)
上棟式中間金の支払い住宅ローン契約締結
引き渡し残代金の支払い融資実行

※( )内はつなぎ融資利用の場合


つなぎ融資は住宅ローンの融資が実行されるまでの間に必要なタイミングで融資が受けられるローンで、土地先行融資は土地と建物の代金のそれぞれでローンを組む2本立てのローンです。どちらも通常の住宅ローンに比べて手続きが複雑になりますが、自己資金が少ない状態でも土地の購入が可能になります。


当然ながら、住宅ローンは審査に通らなければ融資が受けられませんので、金融機関にも相談しながら家づくりの段取りや審査の手続きを進めていく必要があります。自己資金が足りない場合はこういったローンの組み方も慎重に検討し、家を建てる予算を決めることが大切です。


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