家を建てる費用は土地あり・土地なしでどのくらい変わる?

家を建てるときの費用は、大きく分けて建築費・諸費用・土地代 の3種類です。土地を持っていない場合は土地の購入代金がかかるため、当然ながら土地ありで家を建てるケースよりも高くなります。


住宅金融支援機構の「2020年度フラット35利用者調査」によると、土地付きの注文住宅に必要な資金の全国平均は4,397万円、注文住宅(本体代)に必要な資金の全国平均は3,534万円 でした。土地ありで家を建てる費用の方が、約860万円安い結果となっています。

土地を持っていてもさまざまな費用が発生することも

土地ありで家を建てる場合、土地の購入費はかかりませんが、土地代以外にも土地周りの費用がかかります。


たとえば、家族から相続した土地に家を建てる場合、名義を書き換える登記費用がかかります。住宅ローンを組む際は土地の名義人と契約者の名前が一致していることが条件となるため、親から土地を相続する場合は土地の登記の名義を変更し、相続登記をします。


相続登記費用は相続する土地によって相場が異なりますが、司法書士に依頼する場合は10万円以上かかることが多いでしょう。


他にも、土地周りの費用として地盤調査費用や地盤改良工事代がかかるケースがあります。家を建てる際は地盤の状態がとても重要で、地盤調査では地盤の強さ・土質や地層の状態・地下水位の把握・液状化の判定などを調べることができます。地震への強さを示す指標として参考になりますので、家を建てる前にはこの地盤調査を行うケースが多くあります。


地盤調査の費用相場は5万~10万円以上、地盤改良が必要と判断された場合は工事費として最大200万円程度かかるケースがあります。土地ありで家を建てる際は土地の状態を把握しておくことも重要なポイントになるため、こうした土地周りの費用についてもきちんと調べておきましょう。

土地ありで家を建てるとき、頭金や貯金はいくらあればいい?

新しく家を建てるときは、頭金を多く用意できると住宅ローンの返済にも余裕が生まれます。頭金が多ければ借入金額を抑えられるため、金利の負担が減り、総支払額も少なくなります。また、頭金が多いと住宅ローンの審査に通りやすいといったメリットもあります。


前述した住宅金融支援機構の「2020年度フラット35利用者調査」によると、土地ありで注文住宅を建てる人の頭金額は、平均619万円となっています。


頭金は総額の1~2割程度が目安といわれていますので、たとえば3,000万円の住宅を購入する場合は300万~600万円を準備するのが目安となります。


家を建てる際は、住宅ローンの融資が実行される前にも手付金や申込証拠金、契約金などの諸費用がかかります。その費用を賄うために、頭金にプラスして物件価格の少なくとも5%以上(3,000万円の場合は150万円程)の預貯金があると安心です。いつどんな支払いが必要になるか、不動産会社の担当者に確認しておくと、必要な金額の目安が分かります。

土地ありで家を建てる場合、費用を安く抑えるポイントは?

土地ありで家を建てる場合、費用の大部分を占めるのが建築費です。注文住宅は自由に設計できるため、住む人の希望を反映させようとすると、その分予算もふくらみます。あらかじめ住宅価格の上限を決めておき、予算の範囲内でどの部分に費用をかけたいか、慎重に検討するようにしましょう。


まずは、住宅展示場などで実物を確認し、ハウスメーカーごとの特徴についてあらかじめ調べておくことがポイントです。ハウスメーカーによっては、標準仕様に希望する設備やデザインが含まれているケースもあるので、オプション費用を抑えられます。


もし、不要な設備や設計が標準仕様に含まれている場合は、相談して省くことができればコストダウンにつながります。間取りをシンプルにする分、設備や素材にこだわったり、外構をシンプルにして建物にこだわったりと、費用をかけたい部分と抑えたい部分にメリハリをつけることを意識しましょう。

ローコスト住宅で費用を節約

ローコスト住宅は、一般的な注文住宅よりも費用が安いことが特徴です。安くてこだわりも反映された住まいを求めている方は、ローコスト住宅を取り扱っているハウスメーカーを比較検討するのもいいでしょう。


設備のグレードを下げたり、間取りをシンプルにしたりと、注文住宅は選択肢が多い分、工夫次第で建築費用を抑えられます。専門家にも相談しながら無理のない資金計画を立て、住まいづくりを進めていきましょう。


関連リンク

注文住宅について調べる

おうち予算シミュレーションを見てみる