土地購入の主な流れと必要な資金

新しく土地を買って住宅を建てる場合、住宅ローンの融資が実行される前にある程度の費用が必要になります。住宅の引き渡しまでの主な流れと土地代などの支払いタイミングは、以下のとおりです。

  1. 土地探し・ハウスメーカー選び
  2. 土地の申し込み(住宅ローンの事前審査)
  3. 土地の売買契約(土地手付金の支払い・住宅ローンの本審査)
  4. 土地の引き渡し(土地残代金の支払い)
  5. 建物工事の着手(建物着工金の支払い)
  6. 上棟式(中間金の支払い・住宅ローン締結)
  7. 完成・引き渡し(残代金の支払い・住宅ローンの融資実行)

上記のように、住宅ローンを組んでマイホームを購入する場合、住宅ローンの融資が実行されるのは建物完成時が一般的です。そのため、土地手付金や建物着工金などは、別途自己資金で用意するか、別のローンを利用する必要があります。

住宅用に土地を買うとき、使えるローンはつなぎ融資・土地先行融資の2つ

前述したように、家を建てるときに土地を先行して買う場合は、住宅ローンの融資が実行される前に土地の購入代金の支払いが発生します。注文住宅を建てる際は土地代だけでも大きな金額となるため、住宅の引き渡し前に必要になる資金については「つなぎ融資」「土地先行融資」などの制度が利用できます。

つなぎ融資

つなぎ融資は、住宅の引き渡し前に発生する費用を自己資金で支払えない際に利用できるローンです。土地代だけでなく建物着工金や中間金にも充てることができ、住宅ローンの融資が実行されるまでの間、支払いが必要なタイミングで都度融資を受けることができます。


建物が完成して住宅ローンが実行されると、その一部がつなぎ融資に充当され完済となります。なお、つなぎ融資の利用期間は最長で1年間程度、融資期間に応じて利息が発生します。


自己資金が少ない人でもマイホームを購入できることがメリットですが、つなぎ融資は住宅ローンよりも金利が高く設定されており、契約時には印紙代や事務手数料等の諸費用がかかります。

土地先行融資

土地先行融資とは、その名のとおり先行して土地に関わる資金の融資を受けられるローンのことです。建物の代金についてのローンは別途組むことになるため、2本立ての住宅ローンとも呼ばれています。土地を購入する前にあらかじめ土地と建物全体の融資審査を受け、土地購入時と住宅完成時の2回に分けて融資を受けられる仕組みとなっています。


土地先行融資のメリットは、つなぎ融資と比べると低金利で利用できる点です。金融機関にもよりますが、住宅ローンと同じ金利で借り入れることができ、一定の条件を満たせば住宅ローン控除の対象になります。


一方、土地先行融資では土地に抵当権を設定したうえでお金を借りることになるため、建物の正式な見積書や図面が必要になり、抵当権の登記費用などがかかります。ローンの取扱手数料については2本分かかるため、諸費用の負担が大きくなります。

つなぎ融資や土地先行融資を利用する際の注意点

つなぎ融資や土地先行融資を利用するうえで注意したいのが、取扱いのある金融機関が限られることです。ただし、仮に住宅ローンを利用する金融機関がつなぎ融資や土地先行融資を扱っていなくても、違う金融機関のつなぎ融資等を利用することは可能です。


また、土地を購入する前段階で土地と建物のおおまかな評価額を出さなければならない点にも注意が必要です。その場合に備え、建築予定の図面や見積書はそろえておくと手続きがスムーズです。


土地を購入する段階からフルローンを組む場合でも、諸費用の支払いなどにある程度の自己資金は必要になりますので、資金計画は慎重に行いましょう。つなぎ融資と土地先行融資のそれぞれの特徴を理解し、デメリットをふまえたうえでどちらのローンを組むか検討することが大切です。住まいづくりの資金計画については、専門家にも相談しながら進めていくようにしましょう。



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