住宅ローンの金利のタイプは主に3つ
住宅ローンを組むことで私たちは金融機関から住宅購入資金を借りることができます。対価として、借りた額(元金)よりも少し多い金額、すなわち利息を支払います。利息は「元金×金利」で計算され、金利が低ければその分返済額も少なくなります。
住宅ローンの金利は、全期間固定金利型・変動金利型・固定期間選択型の3つのタイプがあり、それぞれ特徴があります。
全期間固定金利型
全期間固定金利型とは、ローン返済期間中はずっと金利が変わらないタイプです。完済までの返済プランが立てやすく、借入時に返済額が確定されます。ただし、一般的にほかのタイプよりも金利が高く設定されている傾向があります。
変動金利型
変動金利型とは、返済中に金利が変動するタイプのことを指します。半年ごとに金利が見直され、返済中に金利が下がればそれに合わせて返済額が減少し、金利が上がればその分返済額が増加します。一般的に返済額の見直しは5年ごとに行われ、極端に金利が上昇したときに備え、多くの場合で変更前の返済額の1.25倍までを限度としています。その場合は、返済額のほとんどが利息の支払いに充てられる可能性もあります。
固定期間選択型
固定期間選択型は、一定期間(2年、5年、10年など)の間、金利を固定させるタイプのことを指します。まずは、一定期間の返済プランを立て、金利の動向を見極めながら特約期間終了後に再度金利の種類(固定金利選択型または変動金利型)を選択します。経済状況によっては金利が急上昇する可能性がありますが、金利選択時の金利状況によっては低い金利を選べるというメリットがあります。
住宅ローンの金利は固定と変動どちらがいい?
住宅金融支援機構の「住宅ローン利用者の実態調査(2022年4月調査)」によると、住宅ローン利用者が選択した金利でもっとも多かったのが変動金利型(73.9%)で、次いで固定期間選択型(17.3%)、全期間固定金利型(8.9%)という結果となりました。
また、住宅金融支援機構の「民間金融機関の住宅ローン金利推移(変動金利等)」では、変動金利型・固定期間選択型(3年)・固定期間選択型(10年)を比較した金利の推移状況が示されており、変動金利型が固定期間選択型を下回る水準で推移しています。このことから、低金利を理由に変動金利型を選ぶ人が多いことが分かります。
金利はさまざまな要因で変動するため、住宅ローンを組む際は金利の動向について注視しておく必要があるでしょう。
金利のタイプはどうやって選べばいい?
金利の特徴について理解しても、結局どれを選んだらいいのか分からないという人もいるかもしれません。ここでは、それぞれの金利に向いている人の特徴についてまとめました。
全期間固定金利型 | 変動金利型 | 固定期間選択型 |
---|---|---|
・金利の変動を気にしたくない人 ・総支払額が高くなっても毎月の返済額を一定にしたい人 ・返済計画を完済まで立てたい人 | ・金利上昇のリスクを理解できる人 ・借入金額が少ない人 ・返済期間が短い人 ・将来金利が上昇しても借入時の金利を低くしたい人 ・金利上昇時に備えて資金が用意できる人 | ・固定期間終了後に収入の増加が見込める人 ・返済期間が短い人 ・全期間固定よりも低い金利で返済したい人 |
金利が固定されている安心感が得られるという意味では、全期間固定金利型がおすすめです。一方で、借入時の金利の低さで選びたいという人には変動金利型が適しています。ただし、住宅ローンは返済期間が長くなりがちですので、今後金利が上昇し返済額が増える可能性があります。借入時の金利の低さだけでなくライフプランの変化に対応できるような返済方法を選ぶことが大切です。
金利のタイプはリスクを理解したうえで選択することが大切
住宅ローンの金利は種類によってそれぞれメリット・デメリットがあるため、まずは特徴とリスクについて理解することが大切です。
変動金利型は借入時の金利が低いという特徴がありますが、今後の金利状況によっては未払い元金・利息が発生する可能性があります。一方、全期間固定金利型や固定期間選択型は少し金利が高めに設定されているものの、返済計画が比較的立てやすいといったメリットがあります。ただし、固定期間選択型は固定期間終了時の金利動向に注意しておく必要があるでしょう。
住宅ローンの返済方法や金利タイプの選択については、借り入れ当初だけでなく完済までの返済プランをしっかりとシミュレーションしたうえで選択するようにしましょう。住宅ローン契約者にとって心理的ストレスや経済的負担が少ない金利をしっかりと見極めることが大切です。
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