土地購入までの一般的な流れは?
土地を購入するまでに準備すべきことや、気をつけるべきポイントなどを把握するために土地購入の大まかな流れについて見ていきましょう。
1.土地を探す
最初のステップは、「どのような場所に住みたいか」といった自分の希望を考えることです。立地条件、大まかなエリアが固まってから、土地を探し始めます。すべての希望条件を満たす土地は簡単には見つからないので、事前に自分が優先したい事項に順位をつけておくのがよいでしょう。
インターネットでの検索や、不動産会社やハウスメーカーに依頼しながら、まずは土地に関する情報を収集しつつ、土地が見つかったら、実際に足を運んで周囲の環境をチェックします。自治体などが制作しているハザードマップで災害についてのリスクも確認しつつ、上下水道や都市ガスの配管有無、接道義務を果たしているかなどといった事項についてもおさえておきます。
2.所有者に土地の購入意思を伝える
気に入った土地を見つけたら、購入意思を伝えるために売主、もしくは仲介会社に買付証明書を提出します。買付証明書は正式な売買契約ではなく、購入希望者が所有者に対して「この土地を購入したい」と意思表示を行うための書類です。
3.住宅ローンの事前審査(仮審査)を受ける
住宅ローンの借り入れをする場合、購入申し込みから1~2週間以内に金融機関で事前審査(仮審査)を受けます。売主も資金調達の動きが見られない相手とは交渉を進める気にはなりません。そのため、買付証明書を提出したらすぐに審査を受けましょう。
4.不動産売買契約を結ぶ
事前審査(仮審査)が承認されたら、不動産売買契約をします。不動産売買契約を締結する際は、宅地建物取引士からの重要事項説明をよく聞き、その内容に納得した状態で契約しましょう。
5.住宅ローンの本審査
不動産売買契約を締結したら、住宅ローンの本審査に進みます。本審査では申込者本人の収入証明書以外に、不動産売買契約書や登記事項証明書といった購入予定の土地に関する書類も求められます。
6.金銭消費貸借契約を結ぶ
本審査に通ったら、住宅ローンの借り入れをする金融機関と金銭消費貸借契約(金消契約)を締結します。これは借主が借りたお金を約束した目的に使い、きちんと返済をするという契約です。
7.土地の引き渡し
融資が実行された後、購入代金を支払います。引き渡しが行われると、登記簿謄本上も土地の所有権が買主に移転します。
土地を購入する時に利用できるローンは?
金融機関では「後から住宅を建てる」ことを条件として、土地の購入にも住宅ローンを利用できる仕組みが設けられています。基本的に住宅ローンは「住宅」が対象となるため、本来であれば、土地の購入には利用できません。注文住宅の建築を前提として、土地を購入する場合、「土地先行融資」や「つなぎ融資」といった制度を利用して、住宅ローンを土地の購入の資金に充てることができます。
ただし、すべての金融機関で利用できるわけではないので、事前に確認をするようにしましょう。
土地購入に必要な書類や費用
土地購入には意思表明してから、土地が引き渡されるまでに、多くの書類や費用が必要になります。ですので、スムーズに進められるように、あらかじめ準備しておくようにしましょう。
土地購入時に必要となるのが、本人確認書類です。住所、氏名、生年月日が確認できる書類のことで、一般的には運転免許証、パスポート、マイナンバーカード、健康保険証のなかから1通用意します。つづいて土地引き渡し時には、発行から3ヶ月以内の住民票(登記をする場所により、旧住所のものまたは新住所のもの)が必要になります。
この土地売買契約以外にも、住宅ローンの申し込みに必要な書類があります。まず、住宅ローン事前審査のために用意する書類として、必要事項を記入した土地融資事前審査申込書と源泉徴収票(事業所得者の場合は確定申告書の写し)、購入する予定の土地の資料が必要になります。すでに何らかの借入金がある場合は、残高証明書や返済予定表も必要です。
本審査には、土地融資申込書、団体信用生命保険申込書(住宅ローンの契約者に対し団体信用生命保険への加入が原則とされている)、健康保険証、印鑑証明書、身分証明書、源泉徴収票、購入する予定の土地の資料が必要です。さらに、収入を証明する書類として課税証明書(事業所得者の場合は納税証明書)が必要となる金融機関がほとんどです。
土地購入に必要な書類 | 本人確認書類(運転免許証、パスポートなど) |
---|---|
土地の引き渡し時に必要な書類 | 身分証明書 |
印鑑証明書 | |
住民票(発行から3ヶ月以内のもの) | |
住宅ローンの申し込みに必要な書類 | 土地融資事前審査申込書 |
源泉徴収票 (事業所得者の場合、過去3年分の納税証明書や確定申告書の写し) | |
購入する予定の土地の資料 | |
残高証明書、返済予定表 (既に何らかの借入金がある場合) | |
住宅ローンの本審査に必要な書類 | 土地融資申込書 |
団体信用生命保険申込書 | |
健康保険証 | |
印鑑証明書 | |
身分証明書 | |
源泉徴収票 | |
購入する予定の土地の資料 |
また、費用に関しても土地を購入した場合、土地代のほかに別途費用が必要となります。「土地価格×3%+6万円+消費税」の仲介手数料(売主が不動産会社である場合には仲介手数料が発生しない場合もあります)、印紙代、登記費用(登録免許税・司法書士への報酬)、固定資産税、都市計画税(下水道や道路などの都市計画事業に必要な目的税)、住宅ローンに関する手数料、このほか地目が「田」や「畑」である土地の場合には、農地転用費用も必要です。
土地の購入に関する費用 | 土地代 |
仲介手数料 | |
印紙代 | |
登記費用 | |
固定資産税 | |
都市計画税 | |
住宅ローンに関する手数料 | |
測量費用 | |
農地転用費用 |
土地を購入するベストタイミングは?
土地購入までの期間はさまざまです。納得するまでじっくり検討したいという場合もあるでしょう。検討期間を長く取るか、すぐに購入を決めるか、それぞれのメリット、デメリットについて紹介しますので、それらを総合的に判断して決定しましょう。
すぐに土地購入を決めるメリット・デメリット
すぐに土地の購入を決める場合、現在の家賃の支払いを抑えられ、土地検討に割く時間を家族との時間などに充てられるというメリットがあります。ただし、いろいろな土地を見比べることはあまりできないうえ、短期集中のために打ち合わせなどの密度は濃くなってしまうかもしれません。
土地購入まで長く検討することによるメリット・デメリット
長期間検討して土地購入を決める場合、いろいろな土地を見比べることはできますが、迷っている間にキープしていた土地が売れてしまうこともあります。ただし、知識をつけることができますし、その知識を持って土地探しをすれば、納得感を持って理想とする土地を選ぶことができるかもしれません。
ここまで紹介してきたように、土地を購入するには多くのステップが必要となります。土地は自分の将来の基盤となる大切な買い物になるので、後悔をしないようにしっかりと準備・検討をしてから購入するようにしましょう。
関連リンク