ローコスト住宅とはどんな家?
ローコスト住宅とは、低価格で建てられる注文住宅のことです。 ローコスト住宅には「〇〇〇万円以下の住宅」といった、明確な金額の定義はありませんが、坪単価の相場は30万〜50万円くらいといわれています。
たとえば、約35坪の延床面積の住宅を建てる場合、坪単価が約80万円の注文住宅と約40万円のローコスト住宅を比べると以下のようになります。
- 注文住宅の場合→35坪×約80万円=約2,800万円
- ローコスト住宅の場合→35坪×約40万円=約1,400万円
ローコスト住宅なら約1,400万円も節約することができます。
ローコスト住宅が安いのはなぜ?
ではなぜ、ローコスト住宅は安くできるのでしょう。それは、建築会社が資材費・人件費・広告費・設備仕様などを工夫しているからです。コストダウンしているポイントについて、それぞれ見ていきましょう。
建築資材の大量仕入れによるコストダウン
間取りの規格化などにより、同一の資材を大量に購入してコストを削減しています。
作業効率化による人件費のコストダウン
事前に工場で加工した資材を使用して施工方法を統一し、現場作業を少ない人数で行うなど人件費を削減しています。
テレビCMの代わりにホームページを使いコストダウン
コストがかかる全国ネットのテレビCMよりもホームページなどを活用しています。
決まったプランや設計・仕様でコストダウン
シンプルな間取りやプラン、標準グレードの設備により、材料費とともに作業工数を抑えています。
こうした工夫により、コストダウンが実現しているのです。
ローコスト住宅のメリット・デメリットは?
ローコスト住宅の最大のメリットは価格が安いことですが、工期の短さもあります。逆にデメリットは、選択肢が少なく、自由な家づくりがしづらいことが挙げられます。それぞれ詳しく見ていきましょう。
ローコスト住宅のメリット
毎月のローンを抑えることで家計に余裕が生まれ、教育費や娯楽費に回すことができます。また、早めにローンを払い終えて、老後の備えに回すこともできます。さらに、シンプルなつくりであれば工期も短く済むので、建築期間中に仮住まいが必要な場合の賃貸費用も節約できます。
ローコスト住宅のデメリット
プランや間取りの選択肢が少ないため、できるだけ自由に設計したいと考える人には向いていません。キッチンやお風呂、洗面、トイレなどの設備は、標準的なグレードになります。グレードの高い設備をオプションから選ぶこともできますが、割高になります。
また、昨今の注文住宅では標準仕様とされることも増えた高気密・高断熱仕様、省エネ性能といった、快適性や省コスト化にかかわる性能にはあまり期待できません。保証期間も注文住宅に比べて短いのが一般的です。ただ、耐震性はきちんと確保されています。
後悔しないローコスト住宅をつくるための注意点は?
ローコスト住宅はさまざまなハウスメーカーや工務店、設計事務所などが手がけていますが、その内容や価格はいろいろです。ローコスト住宅を建てる際には以下のようなポイントに注意しましょう。
ローコスト住宅の相場を理解する
坪単価は、建物だけの延床面積か、ベランダや玄関ポーチまでを含んだ施工床面積で変わってきます。ローコスト住宅の坪単価は一般的に30万〜50万円くらいといわれていますが、建築会社によって算出方法が異なります。
必ず複数社から相見積もりをとる
坪単価の算出方法だけでなく、間取りや設備などの得意分野も建築会社によって違います。複数社から見積もりをとり、提案内容を検討しましょう。
デザインや間取り、設備等の仕様を確認する
ローコスト住宅は、コストを抑えるためにデザインや間取り、設備等を建築会社が決めています。自分や家族がその仕様で満足できるかを判断しましょう。グレードアップを希望するときは、どの程度まで対応してもらえるのか、費用はどのくらいかかるのかも併せて確認します。
メンテナンスやアフターフォローの内容を確認する
法律で定められた、10年間の瑕疵担保責任のほかに、建築会社ごとにメンテナンスやアフターフォローの内容が決められています。大切な住まいを安全・安心に保つためにも、ぜひ確認しましょう。
ローコスト住宅に向いているのはどんな人?
次のような、住まいにあまりお金をかけたくない人や、住まいのデザインや設備にこだわらない人などは、ローコスト住宅に向いていると考えられます。
住まいにお金をかけたくない人
生活費の大部分を住宅ローンに回すよりも、教育費や娯楽、将来への蓄えなどに使いたい人におすすめです。
住まいは個性的よりもシンプルで飽きがこない方がいいと考える人
外観を個性的にしたい人、内装を豪華にしたい人よりも、シンプルで飽きがこない、落ち着いた空間を好む人におすすめです。
ローコスト住宅の安さの理由の多くはハウスメーカーなどの企業努力によるものです。確かに間取りやデザイン、設備などの選択肢は、注文住宅に比べ少なくなりますが、標準的な住宅がコストを抑えて建てられるのは、ローコスト住宅の大きな魅力といえます。自分のライフスタイルや予算に合った住宅を建てられるといいですね。
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