注文住宅の相場はどれくらい?
注文住宅を建てる場合、どれくらいの費用がかかるのでしょうか。住宅金融支援機構の「2020年度フラット35利用者調査」によると、家を建てるためにかけた費用の平均は以下のような結果となっています。
かかった資金の平均 | 土地付き注文住宅 | 注文住宅 |
---|---|---|
全国 | 4,397万円 | 3,534万円 |
首都圏 | 5,162万円 | 3,808万円 |
近畿圏 | 4,540万円 | 3,746万円 |
東海圏 | 4,412万円 | 3,606万円 |
その他の地域 | 3,949万円 | 3,356万円 |
地価の高い首都圏は、他のエリアよりも費用相場が高いことが分かります。土地付きと土地なしの費用を比較すると、全国平均では約860万円、首都圏のみに絞ると約1,350万円の差があります。
注文住宅の費用項目は主に3つ
注文住宅の費用の主な内訳は建物代・土地代・諸費用の3つです。
まず1つ目の建物代ですが、基礎工事・外装工事・住宅機器設備工事・内装仕上げ工事など、一戸建てに必要なすべての工事が含まれます。
2つ目の土地代には、土地の購入費や地盤調査費、改良費などが含まれます。すでに土地を所有している場合は土地の購入費はかかりませんが、必要に応じて地盤調査費や改良費がかかるケースがあります。
そして3つ目の諸費用には、住宅ローンの契約にかかる手数料(不動産価格の3%程度)や各種税金(登録免許税・不動産取得税等)が含まれます。諸費用はローンではなく自己資金で支払うケースが多いため、あらかじめまとまった金額を用意する必要があります。
注文住宅の坪単価の相場はどれくらい?
坪単価とは、家を建てるときの1坪(約3.3平方メートル/2.2畳)あたりの建築費のことです。家を建てる相場を知りたいときは、この坪単価がひとつの目安となります。
坪単価はハウスメーカーや建物の構造によって差があり、計算方法もハウスメーカーごとに異なります。大手ハウスメーカーの坪単価目安は70~90万円程度、ローコスト住宅で50万円程度が相場です。建物の構造別では、木造で50~80万円台、鉄骨造で70~100万円台、鉄筋コンクリート造は120万円台が相場とされています。
たとえば、同じ40坪の注文住宅を建てるケースでも、木造では3,000万円、鉄筋コンクリート造では4,000万円と、構造が違うだけで価格帯が大きく異なります。ただし、この坪単価はあくまで本体工事費の目安になりますので、別途工事費・諸費用・土地代など、その他の費用を含めた総額で費用を比較することが大切です。
注文住宅の費用は間取りや建材のグレードによって大きく変わる
注文住宅の建物代に関しては、間取りや壁・床材・屋根材などのグレードによってコストに幅があります。
たとえば、間取りについては、延床面積を小さくしたり、居室の数を減らして大きな部屋の中に仕切りをつけるスタイルにしたりする方が、建築費用は抑えられます。水回りはなるべく1ヶ所にまとめ、トイレの数を減らすのも節約できるポイントです。
建材や仕上げ材選びの際は、場所ごとにグレードを変えれば費用を抑えられます。目につきにくいウォークインクローゼットや水回りには安価な仕上げ材を使ったり、汚れがつきやすい子ども部屋には貼り替えがしやすい安価な素材を選んだりするのもおすすめです。
外壁・屋根などの劣化が進みやすい部分に関しては、耐久性を重視してグレードを上げることで、居住後のメンテナンス費用などの維持費削減になります。グレードを選択できる部分に関しては、耐久性などの特徴を理解したうえで選ぶようにし、コスト削減につなげましょう。
注文住宅では入居後の維持費も含めて資金計画を
注文住宅の相場はこれまで紹介してきたとおり、ハウスメーカーや住宅の規模などによって異なります。地価の高いエリアに家を建てる場合は、相場より高くなることもあるでしょう。
家づくりでは価格幅の広い素材や設備、間取りを工夫することで、費用を抑えることが可能です。ただし、耐震性や耐久性などの住宅性能に関する部分については、費用を削りすぎないように注意が必要です。
住宅購入の予算を決めるときは、住宅の購入費の相場だけでなく、建物のメンテナンス費用などの維持費も考慮する必要があります。毎年支払いが発生する固定資産税や、定期的なメンテナンス費用なども含めて試算し、無理のない返済計画を立てるようにしましょう。そのためにも、住まいに求める優先順位を整理し、各ハウスメーカーに相見積もりをとるなどして、比較検討しながら住まいづくりを進めることが大切です。
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