注文住宅と建売住宅、それぞれの特徴とメリット・デメリット
新築の一戸建てを購入するときは、間取りやデザインにこだわりたいという人もいれば、ある程度規格が決まっているものから選びたいという人もいるかと思います。注文住宅と建売住宅はそれぞれ特徴が異なるため、どちらが住む人のニーズを満たすか、よく見極めることが大切です。
注文住宅・建売住宅とは?
注文住宅とは、間取り・デザイン・設備などの自由度が高い住宅のことで、住む人の好みやライフスタイルを反映しやすいのが特徴です。住む人が満足感を得やすい点が大きなメリットですが、土地探しや間取りの最終確認など、すべての工程において時間がかかる傾向があり、費用が建売住宅よりも割高な点がデメリットです。
一方、建売住宅とは、土地とセットで販売されている新築分譲住宅のことをいいます。住宅の完成後に販売が開始されるケースと、建築中に販売が開始されるケースがありますが、設計はすべて決まっていることがほとんどで、注文住宅よりも割安な点が最大のメリットです。また、プロが土地を仕入れるため、立地が良いケースが多い傾向にあります。
注文住宅と建売住宅の比較表
注文住宅 | 建売住宅 | |
---|---|---|
プラン | 自由度が高い | すでにプランが決まっている |
工事期間 | 6ヶ月程度以上(工法によって異なる) | 注文住宅よりも工期が短い。契約~引き渡しまで最短で1ヶ月程度。建築中の場合は4ヶ月程度 |
土地 | 土地がない場合は新たに購入。土地探しは3ヶ月~、土地代は建売住宅よりも割高 | 土地と建物がセットなので、土地を探す必要はない。ただし、土地の広さや場所はすでに決まっている |
入居までの期間 | プラン設計から引き渡しまで、1年程度~ | 住宅が完成している場合は即入居も可 |
注文住宅と建売住宅は、プラン・費用・入居までの期間など、特徴が異なります。特に入居時期については、建売住宅の場合は即入居できるケースもありますが、注文住宅は工程に時間がかかる分、最低でも1年以上は見た方がいいでしょう。
注文住宅と建売住宅、費用はどれくらい違う?
注文住宅は建売住宅よりも割高になる傾向がありますが、具体的に費用はどれくらい違うのでしょうか。住宅金融支援機構が公表した「2020年度フラット35利用者調査」によると、注文住宅と建売住宅にかかった費用の全国平均は、以下の結果となっています。
- 注文住宅…3,534万円(首都圏:3,808万円、近畿圏:3,746万円、東海圏3,606万円)
- 建売住宅…3,495万円(首都圏:3,922万円、近畿圏:3,441万円、東海圏3,013万円)
注文住宅の場合はすでに持っている土地に建てるか、それとも新規で土地を購入して家を建てるかによって費用に差があります。土地代なしの注文住宅と建売住宅は費用がさほど変わりませんが、土地付き注文住宅と建売住宅とでは、建売住宅の方が1,000万円程度安くなっています。
また、土地代の違いが影響し、首都圏・近畿圏・東海圏によって相場が異なる結果となりました。
注文住宅と建売住宅、それぞれに向いている人
注文住宅・建売住宅にはそれぞれどんな人が向いているのでしょうか。
【注文住宅に向いている人】
- 時間をかけてこだわりの家づくりをしたい人
- 素材・設備を選びたい人
- 希望する工法やハウスメーカーがある人
- 土地をすでに持っている人
【建売住宅に向いている人】
- 予算を抑えて一戸建てを購入したい人
- 住まいに強いこだわりがない人
- とにかく早く入居したい人
- 土地を持っていない人
間取りや設備など、住まいに強いこだわりがある人、土地をすでに所有している人は注文住宅が向いています。一方、住まいづくりにあまり時間をかけられないという人や、決まったプランの中から選びたい人、土地を新規に購入する必要がある人には建売住宅が向いています。
ただし、住まいに求める条件は住む人によって異なります。自分がマイホームで重視したいことを整理し、注文住宅と建売住宅のどちらがより適しているか、考えてみましょう。
注文住宅と建売住宅で迷ったらどうすればいい?
注文住宅が建売住宅かで迷った場合は、まずはマイホームに求める条件や予算面から検討してみましょう。
たとえば、住まいにある程度こだわりがある場合、「建売住宅では実現できない範囲のこだわりか」という視点で考えてみるのもおすすめです。建売住宅の設備や内装は、平均的なグレードであることが一般的です。高級な設備やこだわりの内装は反映しにくくなりますので、それでも問題ないのか、それとも自分たちのこだわりが譲れない条件なのか、考えてみましょう。
予算に関しては、注文住宅でも仕様にこだわらなければコストを抑えることができます。工夫次第では建売住宅と価格差があまりない可能性もありますので、予算を抑えたいという理由で注文住宅と建売住宅で迷った場合、注文住宅で費用を削れる部分がどれくらいあるのか整理してみましょう。
LIFULL HOME'Sの「住まいの窓口」では、住まいづくりに関する悩みを中立的な立場のアドバイザーに無料で相談できます。不動産会社や住宅建築会社の紹介も行っていますので、注文住宅と建売住宅のどちらがよいか迷っている人や、比較をするために費用相場や情報が知りたいという人は、ぜひ相談してみてください。
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