注文住宅の購入にかかる費用の内訳は?

注文住宅の費用の内訳は、大きく分けると「建物代」「土地代」「諸費用」の3つの項目に分けられます。
建物代には、建物本体を建てるために必要な本体工事費だけでなく、外構の工事・解体費用・地盤改良費といった別途工事費、建築確認申請や登記にかかる諸費用なども含まれます。建物代に占めるそれぞれの割合は、本体工事費が7~8割、別途工事費が2割程度、諸費用は1割程度です。
土地代はエリアによって異なりますが、都内に土地を購入して家を建てる場合は、高額になる可能性があります。すでに土地を持っている、相続するなどであれば、土地の購入費は不要となります。
諸費用には、仲介手数料・印紙税・不動産取得税・登録免許税・住宅ローンの諸費用などが含まれます。税金は軽減措置などで安くなることもありますが、諸費用の多くは現金で用意する必要があります。
| 含まれる費用の例 | |
|---|---|
| 建物代 | 本体工事費(基礎工事費・内外装費・住宅設備機器費など)、別途工事費(電気工事費・外構工事費・地盤調査・地盤改良費など)、その他諸費用(地鎮祭の費用など) |
| 土地代 | 土地の購入費・不動産売買契約書の印紙代・仲介手数料など |
| 諸費用 | 住宅ローンに関する費用(事務手数料・保証料・各種保険料・印紙代など)、税金(登録免許税・不動産取得税・固定資産税・都市計画税など)、契約に必要な印紙代・司法書士への依頼料など |
注文住宅の購入にかかる費用の相場はどれくらい?

2020年度「フラット35利用者調査」によると、注文住宅の本体価格の全国平均相場は、3,534万円(住宅面積124.4平米)です。本体工事費を7割、別途工事費を2割、諸費用1割とすると、費用の内訳は以下となります。
注文住宅(3,534万円)の費用内訳
- 本体工事費…約2,473万8,000円
- 別途工事費…約706万8,000円
- 諸費用…約353万4,000円
上記はあくまで全国平均から算出した内訳ですので、一般的な予算の目安として覚えておきましょう。別途工事費はハウスメーカーによって価格設定が異なるため、どんな家を建てるかによって費用に差が生じます。一般的に照明器具の工事費・空調工事費・引込工事費なども別途工事費に含まれますが、ハウスメーカーによっては本体工事費に含まれる場合もあるため、見積書で内訳を確認することが大切です。
注文住宅は自由に設計できる分、本体工事費が高くなりがちです。見積書等で費用の内訳を確認し、コストを削れそうな部分や逆にお金をかけたい部分について慎重に検討することが、全体の費用を抑えるポイントになります。
土地代はエリアによって大きな差が
LIFULL HOME'Sの「価格相場」を参考に土地相場について見てみると、100平米あたりの都内(23区と市部)の土地の平均価格は、以下となります。
- 東京都千代田区…3億7,795万円(最高)
- 東京都世田谷区…8,499万円
- 東京都中野区…7,848万円
- 東京都杉並区…6,472万円
- 東京都府中市…3,196万円
- 東京都あきる野市…994万円(最低)
土地代は市区町村ごとに異なりますが、東京都ではエリアによって土地代にかなり差があることが分かります。一般的な予算感をつかむためには、土地の相場についてもあらかじめ調べておくことが大切です。
土地購入ありとなしでは予算がどれくらい違う?

注文住宅を建てる場合、すでに持っている土地に建てるケースと、新しく土地を購入して家を建てるケースの2パターンが考えられます。
当然ながら、建物のみを建てるケースよりも、土地を購入して家を建てる方が費用は高くなります。前述した「フラット35利用者調査」では、土地付きの注文住宅の全国平均相場は、4,397万円となっており、土地代なしの取得費用相場(3,534万円)よりも約860万円高くなっています。
エリア別に見てみると、首都圏の土地付き注文住宅の平均相場は5,162万円、近畿圏は4,540万円、東海圏は4,412万円、その他地域は3,949万円でした。首都圏などの地価が高いエリアは、土地の購入費が地方よりも大幅に高いことが分かります。
人気のエリアや都市部では、せっかく周辺より安い土地を見つけても敷地が狭かったり、日当たりや形状などの条件が良くなかったりする可能性があります。土地探しから始める場合は、地盤改良費の有無や土地の条件についてもあらかじめ調べたうえで購入を決めるようにしましょう。
土地付き注文住宅の平均相場
| 全国平均 | 4,397万円 |
| 首都圏 | 5,162万円 |
| 近畿圏 | 4,540万円 |
| 東海圏 | 4,412万円 |
| その他地域 | 3,949万円 |
土地を持っている場合でも土地周りの費用がかかる
すでに土地を持っている場合でも、地盤改良費等の土地に関する費用が発生するケースがあります。注文住宅では諸経費を含め、細かい部分に発生する費用についても把握し、総額がいくらになるのかシミュレーションしたうえで予算決めをしていくことが大切です。
予算については相場の把握だけでなく専門家にも相談しながらシミュレーションし、返済に無理のない予算で家づくりを進めていくようにしましょう。
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