家を建てるために最初にやるべきことは?

最初にやるべきことは何なのかを理解するために、まずは家を建てる工程の全体像を把握しましょう。家を建てる際の大まかな流れは、以下となります。

工程期間(目安)
情報収集・資金計画1ヶ月程度~
ハウスメーカー選び・土地の購入3~6ヶ月程度~
間取り・設備の決定・契約3~10ヶ月程度~
住宅ローン本審査・施工3~6ヶ月程度~
引き渡し1ヶ月程度~

上記はあくまで一例ですが、家を建てるのにかかる期間は8~15ヶ月程度が一般的です。家を建てる際に最初にやるべきことは、この表にも記載しているとおり、「情報収集と資金計画」です。住む人が納得のいく住まいづくりを進めるためにも、住宅展示場に足を運んだり、各ハウスメーカーのカタログを取り寄せて理想の住まいの条件を明確にしたりすることが大切です。ここでは、その「情報収集と資金計画」の手順についてさらに詳しく説明します。

家を建てるために最初にやるべき3つの手順

家を建てる際にはまず「情報収集と資金計画」に手をつける必要があります。以下の3つの手順で始めていきましょう。

ステップ1:希望の条件を整理して優先順位をつける

住まいに求める条件は、住む人によって異なります。住宅展示場、インターネット、雑誌など、いろんな角度で情報収集をし、どんなスタイルの家でどのような暮らしがしたいのか、理想のイメージを具体化していきましょう。


「これだけは優先したい!」という間取りや部屋のデザインなど、住む人の希望を整理し、その中からもっとも譲れない条件は何か、優先順位を決めていきます。この優先順位は資金計画にも大きく影響する要素で、コストをかけたい部分とコストを削る部分を決める際にも役立ちます。

ステップ2:大まかな予算を決める

住む人の希望する条件がある程度まとまり、新しい家で暮らすイメージが固まってきたら、次は予算決めです。予算決めでは購入予算や返済プランを考えていきますが、用意できる自己資金額、年収額、将来の家族構成や家計の変化を踏まえてシミュレーションしていきます。


住まいインデックスのおうち予算シミュレーションでは、年齢・家族構成・年収を入力すると、住宅購入予算を試算できます。家計に負担をかけずに購入できる家の予算などを知ることができますので、ぜひ活用してみてください。


また、LIFULL HOME'Sの住宅ローンシミュレーションでは、月々の返済額から購入可能額を調べたり、物件価格から月々の返済額を試算したりできます。こちらも併せて利用してみてください。

ステップ3:実際に物件を見に行く

情報収集や資金計画は自宅にいてもできますが、実際に購入したい物件がある場合や住みたいエリアがある場合は、現地に足を運んでみましょう。建売住宅や中古住宅は、実際に見ることで気付くこともたくさんあります。


また、周辺環境をチェックすることも大切なポイントです。街との相性や周辺に必要な施設があるかどうかなど、実際に住むことを想定しなから確認しましょう。

家を建てるために年収・貯金・頭金はそれぞれいくら必要?

資金計画において特に重要になるのが、年収・貯金額・頭金です。住宅金融支援機構の「2020年度フラット35利用者調査」によると、住宅購入者の世帯年収の平均は602万円、年収倍率(年収に対する住宅購入価格の比率)の平均は6.7倍というデータが示されています。


住宅ローンの年収の基準は金融機関によって異なりますが、最低年収や、年収別に返済負担率(年収に占める年間返済額の割合)が設定されているケースなどがあります。一般的に無理のない目安として、返済負担率は20~25%程度です。


年収300万円で返済負担率が20%・25%と仮定した場合、年間返済額と月々の返済額の目安はそれぞれ以下となります。

年収300万円の場合

年間返済額月々の返済額
返済負担率 20%60万円5万円
返済負担率 25%75万円6.25万円

自分の年収でいくらの家が購入できるのかは、返済負担率や月々の返済可能額などから逆算すると、大まかな目安が分かります。頭金は住宅購入費の1~2割程度が目安となりますので、たとえば3,000万円の場合は300~600万円の頭金を用意する計算になります。


年収や貯金額は住宅ローンの審査項目でもあり、頭金が多ければ借入金額を減らして返済負担を軽くすることができます。家を建てるには頭金をいくら用意できるかがポイントになりますので、貯金額については頭金+生活費数ヶ月分を目安に資金計画を立てるといいでしょう。

家を建てたいけれどお金がない場合はどうすればいい?

家を建てたくても貯金があまりなかったり、年収が低かったりと、資金に関する不安を持っている方も少なくありません。貯金がない場合は、頭金ゼロの住宅ローンを組むことも可能ですが、頭金ゼロの場合はその分だけ借入総額が多くなるため、返済負担のリスクが高くなります。


まずは、住宅購入費にいくらかかるのか、情報収集をしながら相場について知ることからスタートし、お金がない場合は貯金をして頭金や初期費用を用意するのがおすすめです。ある程度貯金ができれば、購入できる住宅の幅が広がり、余裕のある返済計画を立てられます。


住宅ローンは長期にわたって返済するケースが多いので、老後のための蓄えや子どもの養育費など、住む人の人生設計も考えながら資金計画を立てる必要があります。ローコスト住宅や建売住宅は、フルオーダーの注文住宅よりも安く建てられますので、複数のハウスメーカーのカタログを見比べ、自分たちに合ったハウスメーカー選びを意識しましょう。

家を建てるにはまずは時間をかけて情報収集し、専門家にも相談しながら住まいづくりを進めることが大切です。


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